City Brand Promotion in NY

2013年

二戸市の挑戦 ~にのへブランド発信事業 in ニューヨークが開催~

2013年

二戸市(岩手県)のブランドイメージ向上と地場産業の振興を目的として、2013年8月25日から同月30日にかけて、小保内敏幸市長を代表とする総勢13名がニューヨークを訪問されました。

1 「にのへブランド発信事業」

 「にのへブランド発信事業」と題されるこの取り組みは、地域産業の活性化を図るため、行政(二戸市)と民間企業がタイアップし、世界の流行の中心とも言えるニューヨークを拠点として「にのへブランド」を海外に発信し、それを国内にもフィードバックさせることで、同市の魅力を国内外にアピールしようとするものです。 二戸市の担当者によると、市は本年度から3年間にわたり、「にのへブランド発信事業」に取り組む計画を立てているそうですが、過去このように大がかりな事業に取り組んだ実績が無かったため、初年度となる今回の訪問はまさに右も左も分からないところからのスタートだったそうです。

2 にのへブランドの二本柱

 今回、二戸市が地元ブランドの代表として掲げたのは、「地酒」と「漆器」でした。
 二戸市の地酒「南部美人」は、過去にモンドセレクションでグランドゴールドメダルを受賞するなど海外での評価も高く、現在は、世界23か国へ輸出されています。

 また、二戸市浄法寺町は、漆の国内生産量のうち約7割のシェアを誇る((株)浄法寺漆産業ホームページより)だけでなく、漆の採取から漆器の製造までを一貫して行っている漆器産業の代表地域です。この「浄法寺漆器」も、2011年のグッドデザイン賞で中小企業庁長官賞を受賞するなど、国内では一定の評価を得ており、生産者いわく、今後は、漆器の魅力を世界中の人々に伝えていくことにも力を注ぎたいとのことでした。

二戸市の地酒「南部美人」
浄法寺が山口県の萩ガラスと共同開発した「うるしグラス」

二戸市の地酒「南部美人」(左)と浄法寺が山口県の萩ガラスと共同開発した「うるしグラス」(右)

3 大使公邸にてレセプションを開催

 8月27日には、在ニューヨーク総領事・大使公邸において、草賀純男ニューヨーク総領事・大使及び小保内市長によるレセプションが開催されました。

 当事務所からも広く関係者の方々にレセプションの案内をしたところ、当初予定されていた150名を上回る多くのゲストが参加されました。また、レセプションに先立って開催された「南部美人」と「浄法寺漆器」に関するセミナーでも、立ち見の参加者が会場からあふれ出るほどの盛況ぶりでした。

 レセプションでは、「浄法寺漆器」に注がれた「南部美人」がゲストに振る舞われたのはもちろんのこと、二戸市を代表する食材として、「いわて短角和牛」のステーキ、特別栽培米「いわってこ」のおにぎり、「南部せんべい」等が用意され、また、岩手県出身の奏者による琴の演奏も行われるなど、二戸市(岩手県)の魅力を前面に出した“お・も・て・な・し”が随所に見られました。

 そのほか、8月28日から9月6日までの間、マンハッタンにあるニューヨーク共同貿易のショールーム「MTCキッチン」において、「南部美人」と「浄法寺漆器」の展示販売会が開催されました。販売スタッフによると、立ち寄ったニューヨーカーからそれぞれの製造過程などについて、数多くの質問を受けたそうです。

MTCキッチンにおける展示販売会の様子

MTCキッチンにおける展示販売会の様子

4 小さなまちの大きな挑戦

 私もニューヨークに赴任して約5か月になりますが、日本酒については、日系のレストランや販売店に限らず、既に「SAKE」としてニューヨークに定着しつつある印象を受けます。その反面、漆器については、生産者の方が「プラスチック製品と勘違いされることが多い」と述べておられたように、伝統や製造過程についての情報発信だけでは、その魅力を現地のアメリカ人に伝えるのはいささか難しいと感じられました。

 しかしながら、二戸市の挑戦はまだ始まったばかりです。

 レセプションでは、「浄法寺漆器」に注がれた「南部美人」がゲストに振る舞われたのはもちろんのこと、二戸市を代表する食材として、「いわて短角和牛」のステーキ、特別栽培米「いわってこ」のおにぎり、「南部せんべい」等が用意され、また、岩手県出身の奏者による琴の演奏も行われるなど、二戸市(岩手県)の魅力を前面に出した“お・も・て・な・し”が随所に見られました。

 人口約830万人を有する大都市ニューヨークにおいて、人口3万人の二戸市が、今後3年間でどのように地元特産品をアピールしていくのか、当事務所としてもできる限りの応援をしていきたいと思います。

「CLAIR メールマガジン2013年10月配信」より
ニューヨーク事務所 松重所長補佐 警視庁派遣

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