うるしを守る

日本うるし掻き技術保存会

平成8年1月に設立した日本うるし掻き技術保存会は、技術保持者が減少するなかで、「うるし掻き技術の継承」と「漆の生産量の確保」を目的に発足した。同年5月、文化財の保存のために必要な伝統的な技術で保存の措置を講ずる必要があるとして、文化庁から選定保存技術「日本産漆生産・精製」技術の保存団体として認定。令和2年までに55人の長期研修生の受け入れや、記録動画や冊子を発行するなど、日本産漆生産に関わる啓蒙活動を実施しています。令和2年12月には「漆搔き技術」がユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」として登録となり、世界が認める技術となりました。

認定書
うるし掻きの道具〈工藤竹夫さんの道具〉

うるし掻きの道具〈工藤竹夫さんの道具〉

  • 1 キベラ ゴングリやタルガケの漆をこそぎとる道具
  • 2 タルガケ (3貫用) 漆を漆樽に移す際、漆樽にかけてゴングリをこそぐ道具
  • 3 タルガケ (5貫用) 漆を漆樽に移す際、漆樽にかけてゴングリをこそぐ道具
  • 4 ゴングリ 漆を採取したタカッポから漆樽にうつすときに底までこそぐ道具
  • 5 エグリ 裏目掻きの際に、漆カンナのかわりに使う
  • 6~8 漆カンナ 木にキズをつける羽根と、樹液を出やすくするためキズに切込みを入れるメサシがついた道具
  • 9~11 ヘラ 樹液を掻き採るための道具。小さいものは枝掻きのときに使う。
  • 12 枝採りナタ 枝掻き用の枝を採取するために使う
  • 13 皮取りカマ 木の表面を平らにするために薄く皮をはぐ道具

〈主な活動〉

■1 伝承者の養成

 漆かき技術の習得希望者を受け入れています。

長期研修 (6月から11月までの6カ月間) 年間2~3名程度

短期研修 (3日間)シーズンごとに実施日程を設定

■2 技術・技能の練磨

 技術保持者に対する支援を主としたもので、用具類の確保や生産した漆の成分分析、全国の漆・漆器産地の視察調査及び関係者との相互交流を行っています。

■3 記録の作成及び刊行

 「漆」にかかわる技術の把握を目的とした総合調査、漆掻き職人のくらしと技術の聞き取り調査、日本産漆の特性を把握するための漆器製作、漆掻き道具の製作工程雛形製作などの記録作成のための事業を行っています。

■4 その他

 要請に応じて行政、博物館などの研究施設、報道関係などへ情報・資料提供を行い、保存会や「日本産漆」に対する理解と周知を図るなどの活動を行っています。

事務局 日本うるし掻き技術保存会事務局(二戸市漆の郷づくり推進課)

TEL:0195-38-4472 FAX:0195-38-2218

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