滴生舎だより

Tekiseisha, the craftmen Blog

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2025.11.01

ベテランの言葉

今日はベテランの漆掻き職人がひょっこり遊びに来てくれました。竹夫さんです。

昨晩の雨はひどかったね、なんて話から、近年ではじめたシカやイノシシの話、最後は干し柿の作り方で幕を閉じました。

中盤はちゃんと漆掻きの話もしましたよ。

十数年前に私が竹夫さんに付いて行って漆掻きを見せてもらった山はその後も定期的に手入れをし、

萌芽(根っこ伝いに育つ木の赤ちゃん)が育ち、去年改めて竹夫さんが漆を掻いたそうです。

個人的には、あの時の木の萌芽が、すでに一巡を終えて次の萌芽育成に入ろうとしていることに驚愕でした。

人で例えると、「孫!!??」 という驚き。(わかりにくい?)

そして、「漆は15年位成長させた木に掻き傷いれて~」という解説は漆掻き職人の説明のピークのようでいて、

実は数ある仕事のひとコマだということを噛みしめた気がしました。

 

・・・常に十数年のサイクルの中で仕事をする・・・

山に寄り添うひとの、おおきな時計を見せてもらえた一時でした。

 

さて、

こんな巨匠に見守られながら奮闘する若き職人がこの地域にはいます。

現在d47 MUSEUM (渋谷ヒカリエ8F)にて開催中の「漆のもののまわり」展では

彼らを交えのトークショーを企画しています。

その他、塗り体験も受付中ですので、ご興味のある方はぜひこの機会にご参加ください。

◎「漆のもののまわり」_物販 10/28(火)~11/30(日)

https://www.d-department.com/item/DD_EVENT_64790.html

◎漆について話そう _トーク 11/8(土)

https://www.d-department.com/item/DD_EVENT_65004.html

 

◎漆塗りのお椀をつくろう _体験 11/8(土)

https://www.d-department.com/item/DD_EVENT_64792.html

 

また、東京国立博物館にも浄法寺漆関連資料が少しオノボリサンをしております。

展覧会名:ユネスコ無形文化遺産「伝統建築工匠の技」登録記念

特別企画「日光の彩色と金工 社寺建築の美しさの謎を解く」

期間:2025年10月10日 (金)~12月7日(日)

https://nikko.dougukan.jp/tokyo/#k_04

暮らしの器から無形文化遺産まで・・・ハシゴして、浄法寺漆を感じていただければ幸いです。

 

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《前の記事》2025/10/21

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