滴生舎だより

Tekiseisha, the craftmen Blog

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2021.05.03

〜滴生舎祭〜 特別販売「うるしであじみ」より

不安定な天気にもかかわらず、連日たくさんのお客様にご来店いただいております。

この時期に来ていただけるのか、不安を募らせながらのスタートだったので、驚きと感謝でいっぱいです。

ご来店が叶わないお客様には、引き続きSNSやブログ、オンラインショップでイベントの様子をお届けできるよう、発信してまいります。

 

さて、今回は漆器と二戸の食をセットにしたオンラインショップ限定商品「うるしであじみ」をご紹介をいたします。

 

「うるしであじみ」は、滴生舎まで足をのばしたような気分を味わっていただきたく、漆の器と地域の「味」をセットにしてご用意しました。滴生舎では初の試みでしたが、快く協力してくださった荒谷果樹園と三右ヱ門をご紹介します。

 

●荒谷果樹園

今回のセットシリーズで、漆のカップとセットにしたりんごジュースの生産者さんです。

二戸市の石切所という地域で果樹農家を営んでいます。果実を木の上でしっかり完熟させることを大切にし、つまり本来の果実の味をしっかり引き出すことを大切にする荒谷さんは、更に、この小瓶(350ml)シリーズのジュースを無添加で仕上げることにこだわりました。石工だった先代(地名が石切所なる所以!)が建てた石室で熟成されたりんごは濃厚で、角が取れた味わいになるそうです。

おじいさまが残された石室は、後世への最高の贈り物だったんですね。説明を聞いているだけで、すでに美味しいジュースをいただいたような充実感で心がいっぱいになりました。

↑外は春の陽気を感じられる日でしたが、石室の中はひんやりとした空気でした

 

 

↑園主の荒谷直大さんに、漆器のカップでご自身のりんごジュースを飲んでいただきました。

一口飲んで、ニンマリする荒谷さん。

私「いかがですか?」

荒谷氏「濃厚さが増した感じがしますね。とろみが増すというか。」

うんうん、共感します。漆のカップは唇に当たる感覚が滑らかで、また、極端に冷たくなったり熱くなることがありません。そのせいか、唇が何かに触れている抵抗感が少ない印象があります。

なので、入れている飲み物に意識が集中されるのかもしれません。

丁寧にゆっくり飲みたいりんごジュース出会えた、素敵な時間でした。

 

●三右ヱ門(さんにもん)

今回のセットシリーズで、漆のごはん椀とセットにしたお米の生産者である馬場園芸が展開するブランドです。

三右ヱ門(サンニモン)」はもともと浄法寺町で9代に渡って農業を営んでいる馬場家の屋号なのだそう。

モットーは「畑から届ける最高の贅沢」。土作りからこだわったお米は、ミネラルをたっぷりと含み、噛み締めて堪能したい味となるのです。お米担当の8代目は、こだわりのお米を高級品としてではなく、お客様の毎日を支える普段の食としてお届けすることを大切にしているそうです。

↑口癖は「一瞬一瞬が勝負なんだよ」。農業の難しさを物語ります

 

ここ、岩手県県北は、かつては冷涼な気候から米が育たず、人々は雑穀を育てるなどの工夫で命を繋いできました。そんな歴史を持つこの地で、美味しく、そして安定して収穫できるように生み出された品種が「きらほ」です。

 

↑盛られたご飯がなぜか艶やかに映える漆のお椀

 

漆器といえば汁椀の印象が強いかも知れませんが、これがまた、なかなかどうして、相性の良いことか。漆のお椀でいただく炊きたてのご飯はそれだけでご馳走だな…などと、あまり言い過ぎれば気持ち悪がられしまいそうですが、私はそう思っています。

毎日いただくご飯時間の相棒として、是非お試しいただきたいアイテムです。

 

食品も器も、作った人が自分自身も食べたい・使いたいものを追求していて、そんな商品を普段の生活に取り入れられる喜びを改めて感じました。

この、心のこもった「おいしい」を、皆様にお伝えできますように…

 

塗部屋のm 記

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