滴生舎だより

Tekiseisha, the craftmen Blog

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2020.07.20

うるしかき

漆掻きシーズン本番、突入しています!

無駄のない軽快な動きとリズムで、巧みに道具を使いこなして仕事を進めるケンちゃんこと

鈴木健司氏。

よくブログでも登場しますが

浄法寺町で、自ら採った漆でこだわりある漆器を作る、漆掻き職人兼塗師です。

漆掻きの様子を少し見学させてもらいました。

「おれ、木を愛してるから。」

いつものようにちょっぴりおどけて話すケンちゃん。

ウルシノキにキズをつける、その手元はいたってソフト。

いたわりの心だけではない、木のことを理解しているからこそ。

天候や環境、その木の反応を見定めながら

皮のはぎ方、キズの付け方、ヘラづかいを微妙に調整しています。

漆とは、ウルシノキの樹液。

人間と同じように一本一本、木には個性があります。

また同じ木でも採る時期やその採り方によって、漆の質は変わります。

一度にたくさん採ろうと無理をすれば、木が弱って枯れてしまうことも。

いかに多くいい漆を採るかは、体力や根気はもちろんですが

木を生かしながら採る、繊細な技術と見極めが重要だと言われています。

 

「今日はこんだけ採れたよ〜」

仕事終わりに、うれしそうに持ってきて見せてくれました。

貴重ないのちのしずく。

そして

早朝に山に入り、1日に数十本から百本の木と向き合う

漆掻き職人。

いつも近くにいるのだけれど、私にとっては聖域のような

まだまだそばにあって遠い存在です。

鈴木健司氏のHPはこちら↓

https://kenji-urushi.com/

塗り部屋U

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