滴生舎だより

Tekiseisha, the craftmen Blog

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2022.12.12

手加減控えめで「冬編」へ

カレンダーにたっぷりイベントを詰め込んだ今年の秋。

11月最後に締めくくったのは、1泊2日ツアーでした。

 

お客様に、漆にまつわる大事な仕事・技術に触れてもらおうというこのツアー。

11月末の「秋編」を封切りに、この後「冬」「春」「夏」と展開していきます。

 

私たち漆塗りは一年を通して塗り作業を行いますが、植物であるウルシの育成にまつわる仕事が季節ごとにあり、誰かがそれを賄い、つなげてくれています。

このかけがえのない営みを共に感じ、労働し、美味しい食事で癒されながら浄法寺ですごしてみませんか。

「働かざるもの食うべからず!!」

と、伊藤シェフがニヤニヤしながら見守ってくれる(いや、むしろ本人が漆作業をしたがっている・・・)このツアー。

寒さ、美味しさ、かぶれの危険、アメとムチ、手加減控えめでご用意いたします。

 

次回「冬編」は2月11日(土)ー12日(日)です。

外はすっかり雪景色となるこの季節。

まずは滴生舎の工房で「塗り作業」をしていただきます。

漆塗りの世界には「漆の一滴は血の一滴」という言葉があります。そのくらい大切な生命の一滴なのだから、無駄にしてはいけないというメッセージ。

なので、初心者?体験?関係ありません。漆塗りをするからには、真剣に大切に作業していただきます。

また、そんな命の一滴をつなぐために「漆の実の脱穀」作業にも参加していただきます。

苗木作りにもとっても手のかかる植物ウルシ。皆様が脱穀で手がけたもののうち、発芽してくれるものはほんのわずかです。

沢山生まれる副産物の殻にはロウ成分が含まれており、かつて貴重なロウソクを作っていた歴史を踏まえ、ロウ絞り作業も予定しています。

 

普段お客様には「雪が溶けたら遊びに来て下さいね」とご案内していますが、あえての真冬。

天候の保証はできませんが、そんな自然都合ごと楽しみにしてくださる方を募集します。

 

お申し込みは「みちのりトラベル東北」から

https://www.michinoritravel-tohoku.jp/tpc/reserve/tpc_tour_det.php?gc=042123020010

(旅行業のイロハのイも知らない私たちの案を一緒に紡いでくださる「みちのりトラベル東北」さんに感謝!)

 

 

さてここで、11月「秋編」の思い出をどうぞ

秋編のメインはウルシ林。

苗づくりをされている高田さんに木としてのウルシの生産の現状を解説していただくところからのスタート。

 

「食の匠」に認定を受けている浄法寺の母っちゃ三浦静子さんの手打ちそばを滴生舎の漆器で。

 

腹ごしらえを済ませ、いざ漆の苗作りの現場へ。

満腹と山道のゆらゆらで夢見心地……のところ、頑張っていただきました。

皆様の作業の早いこと早いこと。講師の計画を見事に裏切りノルマ達成です。

 

そしてディナー。充電!!

 

2日目は資料館から。

ウルシと人々が共にあった時代を思い浮かべながら・・・

そして、山へ!険しい斜面から見下ろす風景もなかなか。

目的は種の採取ですが、まずは漆掻きの金山くんのレクチャー。

 

 

シェフも一緒に種取りをした後は、ランチを堪能して終了。

 

遠くから足を運んでくださったお客様、そして浄法寺の漆と味覚の案内人として参加してくださった皆様、ありがとうございました!

私たちもまた、いつもの風景が少し変わったよう感じられ、発見のある2日間でした。

また皆様にお会いできる日を楽しみにしております。

 

記 塗部屋のM

 

* 滴生舎は年末年始にお休みをいただきます *

●年末年始の休館

2022年12月27日(火)~2023年1月3日(火)

●年内最終出荷は12月25日(日)を予定しています。 

年内発送をご希望の場合は24日(土)までにご注文をお願いいたします。

(銀行振込ご希望の方は、口座間の送金処理に時間がかかりますのでご注意ください。)

年末年始休業期間中にいただきました、ご注文やお問合せにつきましては 2023年1月4日(水)より順次対応させていただきます。

ご不便をおかけしますが、ご理解のほど、どうぞ宜しくお願いいたします。

 

 

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