滴生舎だより

Tekiseisha, the craftmen Blog

  • LINEで送る

2022.04.26

おわん展の作り手 〜浄法寺漆で繋がったゲスト編〜

GWイベント「おわん展」の開催まであと3日。

商品も続々集まってきました。

届いた商品を確認するのは、私たちもワクワクドキドキ。

 

今日は、イベントに際して特別出展してくださる作り手さんのご紹介。

みなさん、浄法寺の漆で繋がっております。

 

【omoto】

「omoto」は鍛治仕事の鈴木康人さんと布仕事の鈴木智子さんによるユニット。

漆掻き職人の道具の作製を康人さんにお願いするというところから、お付き合いが始まりました。

元々福島に拠点を置き活動していたomotoですが、これをきっかけに浄法寺にも拠点を増やしました。

浄法寺に滞在する間は、漆掻き職人や掻き道具作りの師匠とも交流し、情報交換しながら技術を高めています。

滞在中、智子さんは柿渋染を沢山広げて製作活動〜といった具合に、お二方とも浄法寺の空気を感じながらのもの作りが始まっています。

以前、柿渋染のWSをやっていいただいたこともあるんですよ。

→2019ブログ

 

今回のイベントでは滴生舎とのコラボ商品も。

工房を越えて生み出すって、一筋縄にはいきませんが、ちゃんと馴染んで一つになった時の満足感はとても心踊る物です・・・というのは作り手目線。でもね、ちゃんと途中経過を確認しておきました。これはお客様にも可愛がってもらえるはず。お楽しみに。

 

 

 

【篠原春奈】

篠原さんは、6年前に漆掻き研修生として浄法寺町で時を過ごしました。今このブログを綴りながら「え!6年も経つ!?」と計算し直してしまいましたが、漆掻きの集会など、事あるごとに拠点の栃木からひょっこり来てくれる彼女は、とても身近な存在。

 

元々漆芸工房に所属していた経緯があり、私たちとは違う技法を扱うという面でとても刺激的な彼女。何でもワッハッハーと笑い飛ばしてくれるカラリと明るい彼女からはちょっとイメージ違いな細かい製作をされています(・・・大胆そうなのに意外とか、そういう意味ではないです、はい…)。特に、乾漆(かんしつ)という技法がメインで、今回の出品商品も乾漆の特徴を生かしたラインナップです。

栃木で独自に漆の木も植え始めたそうなので、いつか篠原工房&漆林の視察に行きたいな。

 

 

 

【平井岳・綾子】

平井岳さんは3年前の漆掻き研修生。篠原さんと逆で、「え!まだ3年?」のパターン。浄法寺で研修を受ける前から茨城で漆掻きを手がけ始めていたので、その頃から知り合いです(個人的には私Mは出身大学が同じで親近感割り増し)。

現在は福島に拠点を置き、綾子さんと二人で「et craft」というユニットを組んで漆芸教室や金継ぎ教室も行っています。浄法寺での研修後は福島で漆を掻いており、茨城・浄法寺・福島と、それぞれの気候の違いを感じながら山に通っているようです。特に、漆掻き活動のピークは真夏なので、浄法寺以南は事情がずいぶん違ってきます。人も木もバテないように気をつけて・・・。自分が使いたい漆を思い描きながら、お天気とにらめっこしながら、奮闘しているようです。

 

福島で採る漆をはじめ、浄法寺の漆と茨城の漆をストックし、ブレンドしながら国産漆にこだわった製作をされています。今回の出展では漆そのもも色味を生かす「木地呂塗り」の商品も出てくるので、お楽しみに。

 

 

 

【本間健司】

本間さんは10年以上前の漆掻き研修生。本職は木地師さんで、滴生舎でも沢山お世話になっています。ご実家でお父様とお兄様が塗師をされている漆一家。なので、漆塗り事情を踏まえて一緒に物作りができる心強いパートナーなのです。

木地師というのは、木で器などを作る職人さん。木地師の中でも専門分野が何種類かに分かれますが、中でも本間さんは「轆轤(ろくろ)」と呼ばれる機械を使って木地を作る職人です。漆器は通常、塗る人がデザインを起こし、木地師に伝え、仕上がった木地に漆を施し、塗った人の名前で世に出ます。なので、木地師は縁の下の力もち。彼らの技術無くして、私たちの想いが現実化することはありません。なので、依頼する木地師も取っ替え引っ替えというわけには行かず、気心の知れた職人とのチームワークとなるわけです。

 

茨城で「呂空居」という工房を構え、木地挽きだけでなく、漆掻きもしながら自身の作品作りもされています。何ともマルチ!今回はそんな本間さんの活動を丸ごと感じられるよなラインナップで出展いただきます。整った轆轤(ろくろ)仕事と鉈のワイルドな仕事跡が一つになった器なんかは、木地師さんのなせる技。是非お店で木を感じでください。

 

 

以上がイベントに特別出展してくださる作り手さんです。

今回は商品のお預かりで、ご本人たちの在廊はありませんが、中には顔を出してくださる作り手もいるとかいないとか・・・

それは会期が始まってからのお楽しみ。

 

いつものお椀と、いつもと違うラインナップでお迎えします。

ぜひ遊びにいらしてくださいね。

 

記 塗部屋のM

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おわん展」

手のひらにしっくりくる漆のお椀を、じっくり探してみてください。

会期:2022年4月29日~5月8日

8:30~17:00 (会期中無休)

会場:滴生舎

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  • LINEで送る

《前の記事》2022/04/22

おわん展の作り手 〜佐藤綾子さん〜

佐藤綾子さん漆絵はとっても繊細。そしてユーモラス。 滴生舎でも、いつもお客様の心を掴んで離しません。 どれも一点ものなので、どんなモチーフに出会えるかは運次第。 神出鬼没のアーティス...続きを読む

《次の記事》2022/04/29

「おわん展」1日目

ついに始まりました、おわん展! 今日はあいにくの天気だったにもかかわらず、沢山のお客様にご来店いただきました。 ありがとうございました。     ...続きを読む