滴生舎だより

Tekiseisha, the craftmen Blog

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2022.02.26

こどもの漆器、製作中

「子供用品は吟味。小さな頃から良い物に触れさせて。」

「いやいや、100均上等。使い捨て感覚で。」

 

この2つの声は両極端に聞こえますが、どちらの気持ちもわかる気がします。

事実、私は2人の可愛い怪獣(1歳児と3歳児)を目の前にしょっちゅう葛藤していますから。

 

親になるまでは、家具もおもちゃも食器も

「あのメーカーの~」「この作り手の~」

と、買い物リストで夢を膨らませていましたが、いざ子育てが始まると現実を突きつけられます。

 

不安でいっぱいのお金のやりくり。

子供たちの溢れるエネルギーで破損してゆく品々。

目を見張る成長(嬉しいけど)に伴って変化する適正サイズ…

 

「子供に漆器を」

なんて、簡単ではないと百も承知。

 

それでも今、我らが取り組んでいる商品。

それが、子供の器です。

 

↑これはまだ作業途中。

全貌をお見せできるのはゴールデンウィークの頃です。

 

 

今までも、お客様からのリクエストをいただいたり、

漆器で子育てした方の経験談を聞かせていただき、

滴生舎の工房でも作りたいと思いを温めていました。

 

個人的には、子供の食事に漆器を使ったことで

より、漆器が生活の「相棒」になった気がします。

 

もちろん器が傷つくことは茶飯事ですが

あの傷もこの歯型も、もはや思い出。

バタバタする日常の中で、準備して盛り付けて運んで洗って片付けて…

ふとした瞬間に、軽やかで温かい、木の器、漆の器に癒されることの方がプラスでした。

 

「あなたたちにサイズアウトしても、塗り直して、母ちゃんが使うからね」

そんなことを思いながら、小さな手と小さな器を

微笑ましく見守っております。

 

 

「我が子に漆の器を」

というお父さん、お母さんはもちろん、

「孫は目に入れても痛くない」

という、グランパ、グランマに見初めてもらえるように

しっかり塗っていきますのでお楽しみに。

 

記 塗り部屋のM

 

 

追伸

オンラインショップで掲載の子供椀は、岩舘さんが四半世紀作り続けたロングセラーです。

商品情報はオンライショップ(click)まで。

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