2023.03.03
日中の気温が上がり、雪解けに春を感じています。
なんだか開放的な気分になりますね。
とはいえ雪がちらつくことも。
この寒暖差には注意が必要。
人の身体はもちろんですが、私たちは漆の管理にも気をもみます。
山間部では天気予報は一つの目安にすぎません。
「夜間、冷え込みそう?」
「朝にはね。昼間塗った分は日中の温度でいけるでしょ」
これは、塗った漆が固まるペースを心配する会話。
漆塗りの仕事は、刷毛で塗るその瞬間だけが大事なわけではありません。
お天気から工房が受ける影響を見越して作業できないと、次の行程につながっていかないのです。
焦りは禁物ですが、ぼーっとしていればペースを崩してしまいます。
一見静かな作業ですが、特に経験の浅いうちはそわそわし通しで心休まる暇がありません。
…以前、結構な先輩に「今でも上塗りの翌日は、風呂(漆を硬化させるスペース)を開けるのがおっかない」と言われたことがあります。まだ当分、この緊張感と共に生きるわけですね…
さて、そんな一朝一夕とはいかない漆塗りですが、
「それでもやっぱり体験したい」というお声をいただいたり、私たち自身も「工房だから見える漆の世界観を伝えたい」という思いがあります。この思いに共感してくださったロレオールの伊藤シェフと東北みちのりトラベルとともに作ってきたツアー「秋編」「冬編」に続く、「春編」募集の予定が決まりました。
今回もまた、漆塗りに加えてウルシの苗木づくりにも関わっていただき、未来につながる労働で汗を流していただきます。
(つまり今回もまた、漆かぶれの危険性はぬぐえません)
日程 :2023年4月22日(土)~23日(日)
ツアー料金 :税込50,000円 盛岡駅からの交通費含む
内容:椀の中塗り作業、ウルシの苗の植栽に関わる作業
申込受付は東北みちのりトラベルにて、
3月5日(日) 10:00~15日(水) 23:59
先着9名ですが、電話にてキャンセル待ちも対応できるそうです。
↓ ※ 3月5日(日)10:00 に申込ページを開きます。それまではエラー表示になりますのでご注意を!
https://www.michinoritravel-tohoku.jp/tpc/reserve/tpc_session_err.php
https://www.michinoritravel-tohoku.jp/tpc/reserve/tpc_tour_det.php?gc=042123040030
※上記URL最新です。3/4投稿のものはアクセスできません。大変ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。
過去の「秋編」「冬編」についてのブログもご参考にどうぞ。
↓ ツアー秋編
↓ ツアー冬編
また、日帰りのツアーも5月下旬に構想中です。
こちらも同じくみちのくトラベルから受け付けます。
募集についてはまた改めて。
観光地ではない、大産地でもない・・・
だからこそ、私たちなりのペースで、一層一層丁寧に、時を重ねていきたいと思います。
記 塗部屋のM
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